げきとり

劇と鳥をこよなく愛しています。

貴婦人の訪問 8/16 マチネ 10列上手

結局2回観たわけだが(初回は30分遅刻)
やっぱり印象は変わらず、この演目面白いのか?
初回もそう思ったけど、最初から観てないし判断を控えていたが、やっぱり面白いとは思えなかった。

まあ言いたいことはだいたいわかりますよ、どんなに仲良くしていたって、莫大なお金を前にしたら人間関係なんてあっけなく崩れるとか、自分の利益の為なら友達を貶めることなんて平気とかね。
でもわかるのと面白いかは別な訳で。

だいたいアルフレードってアホなの?
偽証して認知を拒んだうえ殺しかけた元彼女が大富豪の未亡人になって街に戻ってきたからって融資を頼む説得の役割をなんで引き受けるかね?
自分のした事すっかり忘れてる訳?
こんな突飛な条件は想定外にしても恨み言のひとつも言われると思ってないってどんだけおめでたいんだ?

それで自分の死と引き換えに街に莫大な支援が入ると知ったら2幕の半分位までひゃーひゃー逃げ惑って、
それで言うに事欠いてクレアのことは忘れた事ないとか、妻を愛そうとしたけど出来なかったとか、1幕の最初はマチルダと結婚する事しか頭になくて偽証なんてしてしまったとか言ってたのに…
それも結局マチルダの家の雑貨屋が目当てってどんだけ職の無い街なんだ?

涼風さんのクレアは流石の迫力で歌も感動したし、年を取った設定でも素晴らしく美しかったけど、自分が言い出した事なのにいざアルフレードが死んだら、街の人を人殺しって言ったり、じゃあ何がしたかったのかな?
途中、お互いずっと愛してたってわかっても、死んでも許さないって言ってたのに…あれかな?エリザベートで言うところのルドルフが死んだ後エリザベートがトートに死なせてって懇願してもトートは「まだ私を愛してはいない」って突き放す感じ?

せっかくの山口さんをあんな情けない役に当てるのは勿体無い。
クレアとのデュエットもあんまり響かなかったな〜
ずっとトートをやる訳にはいかないけどもうちょっと何かなかったのかねぇ
やっぱりこの人は人間を超越した存在が合うなあ〜

しかしみんな口では友達だ親友だ言ってたけどどんどん服装が華美になって警察の制服までジャラジャラギラギラしてたのは滑稽だったわ〜
だいたい街の人の派手な新しい服が私は大嫌い、派手な表現にしてももっと他にあるじゃんか?

最終的に市民投票で有罪に決まって、命を落とすんだけど、偽証した時親友の警察官と市長も「自分もクレアと付き合ってた」と偽証してたんだから、マスコミにそれを流せばよかったのに。

ミュージカルにする必要あったのかな?
まだもっと鬱々とした演出でストレートプレイにした方が評価できた可能性もあったかな?

カテコでは山口さんと涼風さんが腕を組んで出るので、はける時は校長役の石川禅さんがマチルダ役の春野寿美礼さんの腕を取って帰るのが微笑ましかった。

マチルダがかわいそうだったな、唯一アルフレードを糾弾する権利があるのは彼女かも?

私的にはとっても酷評でプログラムも買わない位だったけど、終演後、観客のおばさまが「良かったわ〜」と言ってたので、やはり人の感性はそれぞれだなぁ